ファミリーコンピュータ ディスクシステムとは?

ディスクシステム

ファミコン世代であれば

「やればやるほど〜♪ディスクシステム♪ピコーン♪」

というCMが今でも耳に残っていませんか?

短命ながらいくつもの名作を生み出したディスクシステムについて少し語りたいと思います。


大容量で安価なシステム

ディスクシステムは1986年2月21日にファミコンの周辺機器として発売されました。

ディスクシステムに採用された「磁気ディスク」は、当時使われていたROMカートリッジの3倍の容量をもつうえ安価というのがウリ。

ファミコン ディスクシステム

さらにデータのセーブができ、ファミコンよりも高音質なPWM音源を採用。

ゲームに飽きれば、全国の小売店に設置された「ディスクライター」で別のゲームに書き換えることもできた。

ディスクシステム 書き換え

ディスクカードは、ROMカートリッジの半値くらいで販売され、書き換え料金は500円。

ディスクシステムの登場は、非常に画期的な出来事だった。

 

ファミコンのネットワーク構想

まだインターネットもない時代に、任天堂は全国に600万台以上普及していたファミコンと、新たに発売したディスクシステムを使った情報ネットワークの構築をも考えていたという。

ファミコン ディスクファックス

家庭にある電話回線とモデムアダプタを使ってディスクシステム同士をつなぎ、遠く離れたプレイヤー同士のゲーム対戦や、データ交換などの仕組みを計画し、ファミコンによる全国的なネットワークを実現させようとしていた。

この通信によるゲームをユーザーに体験してもらうべく、翌年1987年2月21日「ゴルフJAPANコース」を発売。

自分の記録したデータを「ディスクファックス」設置店に持ち込めば、ディスクファックスを通じて任天堂にデータが送られる仕組み。

送られたデータは集計とランキングされ、上位者には景品が用意されていた。

このイベントの参加者は10万人以上と一定の成果をあげており、以降さまざまなイベントが企画・開催されました。

 

よいことばかりでないディスクシステム

ディスクシステムは初年度こそ約224万台をセールスしたが、以降は75万台、29万台、11万台と急速に出荷台数を落としていった。

原因のひとつにROMカートリッジの大容量かがあげられる。

そもそもゲーム自体の進化が激しく、ディスクシステム自体の容量の限界が見えていた。

加えて半導体技術が急速に進歩していたため、新しいチップが次々と開発され、あっという間にディスクの容量を上回ることに成功。

さらに半導体の価格も急落し、原価を抑えながら大容量のゲームを実現することができるようになり、またROMカートリッジに電池を搭載することで、面倒なパスワードを必要としないセーブもできるようになった。

時代はすでに次のステージへのシフトが始まっていたのでした。

またソフトメーカーの大半もディスクの供給には消極的だった。たとえばファミコン初期からサードパーティとしてゲームを供給していたハドソンやナムコは、ROMカートリッジ版の移植だけでオリジナルタイトルを1本も出していない。

さらに小売店や流通業界からも支持が得られなかった。

小売店でいえば子供にも買える夢のような価格のディスクも、販売店からすれば利益率の低い商品。

流通業会からすればゲームの書き換えにより、物流がなくなってしまうためメリットがほとんどなくなってしまう。

 

それでもなお

1993年、全国の小売店からディスクライターが回収されてしまいますが、任天堂本社や各営業所にて書き換えは継続されることとなりました。

このサービスは2003年9月まで続き、ディスクシステム本体の修理も2007年まで続きました。

任天堂:書き換えサービス終了のお知らせ

そんな経緯を経て一時代を築いたディスクシステムは役目を終えたのです。

当時、子供ながらに時の流れの早さを感じたものでした。

 

個人的に

ずっと疑問に思っていたのが「ファミリーベーシック+ディスクシステム」の構想はなかったのかな?ということ。

どうやら非公式ではディスクシステムから起動できるBASICがあったようですが…。

ファミリーベーシックのデータセーブには専用のデータレコーダーがありました。専用データレコーダー

ディスクシステムの発売の際に、せっかくあるキーボードと組み合わせて、よりパソコンみたいに使えるようにする構想があっても良かったんじゃなかったのかな?と今でも思っています。

でも任天堂も海賊版や違法コピーなんかに悩まされてたから、そんな発想が出てこなかったのかな?

真意のほどは定かではありませんが、昔々ゲームはカセットテープだったことを平成生まれの方々はご存知ないようで(てかカセットテープ自体を知っているかが怪しい)、それだけでも世代のギャップを感じる今日この頃でした。

こちらではディスクシステムの生みの親「上村雅之」さんのインタビューが見られます。

N.O.M August 2004 No.73
https://www.nintendo.co.jp/nom/0408/index.html

参考:
主婦の友「ファミコン コンプリートガイド」
Wikipedia「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」

※ファミリーコンピュータ・ファミコンは任天堂の登録商標です。ファミリーコンピュータ・ファミコン用ソフトの著作権は各著作権者に帰属します。